「速度制限」は結局「ユーザーのしわざ」(WiMAX2+の話題より)
最近UQ WiMAX(WiMAX2+/WiMAX Release2.1)の速度制限に関し「詐欺まがい」とまで苛烈に叩く記事を散見する。
モバイル通信のメインストリームではないとはいえ、2.5GHz帯のサービスで、過日追加割り当て20MHzを巡ってWCP(ソフトバンク)とUQが苛烈なせめぎ合いを(ほぼWCP側だけが一方的に怒っていた気がするが)見せていたのは記憶に新しい。
ともあれ結果的にはUQ側に割り当てが決まり、50MHzという広大な帯域幅を確保できた。
WiMAX 自体はこれまで、音声なしのデータ特化許認可でもあり、スマホ界隈においてもモバイルWi-Fiルータなどの「補完的」な位置付けだったが、正直私も「これだけ余裕があればパケット容量制限なしでサービス提供出来るだろう」と思っていた。
一方、割り当て選外となったソフトバンクもUQの半分以下である20MHzの帯域幅を嘆くどころかSoftBank Airとうサービスを提供し始めた。
しかしこちらも「容量制限か?」と疑心を抱かれてはじめている。
スマホにしても、今回のWiMAX2+の速度制限にしても論調は一方的にキャリアが悪者扱いだが、根本原因は一部の超ヘビーユーザーのしわざなのだ。
今回のUQ WiMAX2+の速度制限に関しても私は、一部の超ヘビーユーザーの「帯域専有問題」は相当過度なのだなと思った。
そりゃ、50MHz幅で制限をかけるほどトラヒックが危ういとはどんだけなんだと。
そもそもキャリアも制限は好んでかけてはいない。
この手の超ヘビーユーザーはコア側から監視しても当然「何をやっているのか」まではわからない。
一説には監視カメラ使用で回線をつなぎっぱにしているとも聞くが、トラヒックをみるとファイル共有ソフト全開時のように帯域をベタでほぼ専有しているという。
しかもそれは連日連夜と「意図的」であることもわかる。
マンションタイプのブロードバンド回線で、1人のユーザーが帯域を専有すると他のユーザーが激遅になる経験をした方もいるだろうが、簡単に言えばそれと同じ状況だ。
モバイルネットワークは現在、携帯電話などのコンシュマー利用だけにとどまらず、M2MやH2M/M2H等,商業利用にも及び、それらの利用に支障なきレベルの余裕は確実に確保せねばならない。
とはいえ、その超ヘビーユーザーの行為が何か法律に違反するかと言えば現行法に照らしてそうではなく、個別に制限をかけるワケにもいかない。そこでキャリアはやむなく一律容量と速度制限をかけネットワーク全体の保護に至るのだ。
ちなみにこれは日本だけの問題ではなく、世界各国でも頭が痛い問題で、その度毎に従量制移行の話が出ては立ち消えている。日本もどこかが先陣を切れば即座に横並びとなるだろう。
今回のUQサイドもきっと「私共も好き好んで制限をかけているのではありません。“かけざるをえない”のです!」言いたいに違いない。もちろん実際の内情は私の知るところではないが。
この「速度制限」に憤るユーザーは同じ「ユーザー」である超ヘビーユーザーに怒るべきではないか、と私は思う。
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