勃発!「千駄ケ谷カフェ戦争!?」Phase1
昔から私は千駄ケ谷を「カフェ不毛の地」と勝手に呼んでいました。
実際、千駄ケ谷駅前周辺では昔から気の利いたカフェがない、もしくはなかなか定着しない傾向がありました。
最近では10年以上も「千駄ケ谷大通り界隈唯一の本格カフェ・ダイニング」としてその奇妙なネーミングとともに愛されたJAMAICAUDONも2013年に閉店してしまいました。
もちろんJR駅にあるBECK'Sなどジェイアール東日本フードビジネス系店舗やエクセルシオール、ドトール、モスバーガー、サブウエイは存在しますが、これらは当方が望む「カフェ」ではありません。
私が望むのはいわば「カフェ・ダイニング」です。
ご飯もしっかり摂れて、お茶やアルコールも飲め、そして出来れば遅くまでやっている。そんな「使い勝手の良いカフェ」です。
そんなところへどっしり登場したのがグッドモーニングカフェ。(以下GMC)
この場所(バルビゾン11号館 1F)も昔からいわく付きで、なかなか長続きする店舗が入らない事で有名でした。
以前はイタリアン「ブルーポイント」やバリ風家具ショップなどなど、気付けば店が変わっている印象で、2010年4月からGMCがオープンし「やっと待望の本格的カフェ・ダイニングが出来たか」と喜び、朝に夕に夜に通いました。
そもそも、昔からこの千駄ケ谷駅前から真っ直ぐ明治通りまで伸びる「千駄ケ谷大通り」にカフェ・ダイニングが定着しないのはこの地固有の事情がありました。
津田塾大学以外の人の流れは東京体育館や国立競技場に何らかのイベントがあるときに限られ(要はほぼ祝祭日のみ)、神宮花火大会などの時は極端に混み合いますが、それ以外はオフィス街でもないため、トラフィックが極端に減るのです。
これでは経営も不安定になるのか、大手のチェーン系しか生き残れないようです。
先に挙げた大手チェーン系カフェもモスバーガー(23時閉店)以外は閉店時間も早く、完全に通勤時間からランチタイムにフォーカスした営業時間である事からもそれは伺えます。
ーーしかしこの10年間で千駄ケ谷界隈にも大きな変化が訪れていました。
イトキンとワコールが明治通り沿いに揃っていた頃は、その「城下町」として、千駄ケ谷2丁目、3丁目界隈はアパレル関連の企業がひしめいていました。
しかしワコールが2005年に移転するや、折からの不景気要因もあってか、その形成が徐々に崩れはじめ、アパレル企業は減り続け、その代わりに流入してきたのはIT系ベンチャー企業でした。
BIRDMANや右脳事件、ユニークビジョンなど業界人なら必ず耳にする個性的な企業が拠点にし始め、交通の利便性から北参道駅だけではなく千駄ケ谷駅を使う頻度も高く、千駄ケ谷大通りに一定のトラフィックが発生し始めました。
簡単に言えば日中人口の平均年齢が下がった=カフェ・ダイニング利用層の増加となり、GMCオープンのタイミングは見事にその時流に合致し、常ににぎわいを見せる人気店となったのです。
ところがところが、オープンから5年経った、今年の1月一杯をもってGMCが突如閉店してしまいました。
地元からも愛されていたこの閉店の報に常連達の間に激震が走りました。(Phase2につづく)
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