iPhone6/6Plus専用SIM(C2)のお話
2014年9月12日に発売されたiPhone6/6Plusだが、この機種からソフトバンクではNanoSIMのタイプが(C2)となった。
1つ前の世代はiPhone5sに使われていた(C)タイプで、ここから仕様が大きく変わっている。
まず皆が口にする「SIMロック」とは以前はコードで掛けていたもので、ソフトバンクで2008年から発売した当時からSIMロックを施していたのはApple社である。
大半の人間がキャリアが掛けていると信じ込んでいるが、キャリアにその権限はない。
Apple社では、端末を販売してくれるパートナー、世界各国のキャリアにその国の事情に合わせた販売戦略を指示している。
一般的には割賦型の販売で、購入時にはSIMロックを掛け、一定期間支払いを済ませる事で希望者には有償でロックの解除を受け入れる。
むしろ例外の存在で代表的な国家は旧英国領国家を含んだ英国とフランスである。
この2カ国では国家の法律で「選択肢」を確保する為にSIMロックを許していない。
その代わりにほぼ「頭金方式」で販売している。
という事で、世界の大半は日本同様SIMロックが掛けられて販売されている。
ところが、コードでロックを掛けるものの「脱獄」からこのロックを解除する者(unlock)が現れ、その度に「ベースバンド」をアップデートし阻止をして来た。
そのような背景があった上で、2年ほど前からソフトバンクのスマホ管理方式に変化が訪れた。
まずAndroidスマホでは端末のIMEIとSIMの紐付けが始まった。
例えばSIMを差し換えて使う場合に端末に所定のAPN設定値を入力しネットワークを利用可能とするが、同社では「ユーザー名」は見えていても「パスワード」は目視できなくなった。
これはショップでIMEIとSIMの紐付けを行った関係においてのみIMEIを認識した上で、パスワードを「生成」しているのだ。
つまり他のSIMを挿して使う事はもちろん、SIMそのものも使い回しができなくなったのだ。
iPhoneの(C)タイプのSIMは使い回しが出来たが(C2)からは同社先行のAndroidスマホ同様、IMEIとSIMのヒモ付がなされているーーこう書くと「じゃあ(C)タイプのままがいいのでは?」と考えるのだろうが、(C)タイプはiPhone5s用であり、iPhone6とのスペックの差分であるTD-LTE(AXGP)が使えない。
(C2)タイプはフルスペックでソフトバンクの回線を使える。
噂ではVoLTEの対応も(C)タイプSIMでは使えないとも聞く。
この管理方式はSIMフリー(unlocked)で販売されているiPhone6でも同じだ。
その意味では「SIMロック」の概念は既に「過去の物」となり、スマホのキャリアによる管理は次にステージに進んだと言うことだろう。
これはドコモもKDDIも段階的に進めていることだ。